MESSAGE社長メッセージ

白石工業株式会社は、1919年11月23日、軽質炭酸カルシウムの製造・販売を事業として三重県員弁郡白瀬村に設立し、本年、設立100周年を迎えました。ここまでこられたのも株主や従業員をはじめ、多くのステークホルダーの皆様の御支援の賜物だと考え、心から感謝しております。そして、この感謝の気持ちを次の100年の企画の礎として、次世代を担う人達への贈り物にしたいとも願っております。
炭酸カルシウムの開発と用途の開拓に積極的に取り組み続けて100年余り、その存在を直接感じることはなくても、当社が手掛けた炭酸カルシウム製品は皆さんの身のまわりのさまざまな場面で活用されています。
歯磨き粉の原料作りから始まった用途開発は、自動車のタイヤやチューブ、ゴム部品、プラスチック部品、建築材料としての床材や壁紙、塗料や接着剤、シーリング材、さらには製紙用の顔料やインキ用の顔料、フィルム用の材料、そして食品用、動物用、農業用の薬品としてその用途を広げてきました。
ここまで用途の幅が広がったのも、炭酸カルシウムの粒子の形状はもちろん、大きさや表面性質を変化させる技術があったからこそと言えます。中央研究所の努力の積み重ねによって、炭酸カルシウムと他素材との結びつきをニーズに応じて調整することが可能になりました。ゴム、プラスチック製品の補強性や紙の不透明性、表面光沢など最終製品の要求特性を自在にコントロールする。当社の仕事はミクロの表面でマクロの技術を支える。それはすなわち「表面」にこだわり「分散」にこだわった仕事であったと言えるかもしれません。
白石カルシウムを中心とした販売網も進化を遂げてきました。アジアを中心に広げてきたネットワークは12か国に展開しており、今後もヨーロッパ諸国や北米南米に広がっていきます。高いマーケットシェアを武器にして価格情報や品質情報を手に入れ、市場の動向、技術のトレンド、サービスや輸送に関する情報を誰よりも正確に捉えてタイムリーに使いやすい形で提供していきたいと考えています。
次の100年を考える時、ITやAIといった新しい技術を取り入れていくことが必要でしょう。インターネットや情報通信技術の革新を当社の経営に取り入れていくことは乗り越えていかなければならない大きな課題になります。
これからの白石グループは、情報発信企業として社会に貢献し続けていきたいと考えています。皆様のお役に立てるよう変革してまいりますので、今後も倍旧のご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

2019年11月
白石工業株式会社
白石カルシウム株式会社
代表取締役社長 白石 恒裕